また遺言書を作成したほうが良い相続のケースとは？　遺言書の達人が徹底解説します。

Ⅳ. 事業承継を円滑にする

北葛飾郡松伏町で自営業や会社経営をされている場合、遺言書がないと会社の株式や事業用資産が分散してしまい、事業の継続に支障をきたす可能性があります。

▶ 遺言書があれば・・・

• 特定の後継者（長男、娘、従業員など）に事業を継がせられる
  
  
• 会社の経営権を確実に移転できる
  
  

Ⅴ. 相続手続きの負担を軽減できる

遺言書があると、相続手続きの際に「遺産分割協議書」の作成が不要になり、手続きがスムーズに進みます。特に遺言公正証書の場合は、検認手続き（家庭裁判所での確認）が不要になり、手間と時間を大幅に短縮できます。

Ⅵ. 相続税対策ができる

遺産の分け方によっては、特定個人の相続税の負担が増えることがあります。遺言書を活用して、事前に節税対策を講じることが可能です。

▶ 例として・・・

• 配偶者に多く相続させる（配偶者の税額軽減が適用される）
  
  
• 生命保険を活用する（500万円 × 法定相続人の非課税枠）
  
  
• 生前贈与と組み合わせる（暦年贈与・相続時精算課税制度など）
  
  

Ⅶ. 行方不明の相続人がいる場合

法定相続人の中に行方不明者がいると、相続手続きがスムーズに進みません。しかし、遺言書があれば、行方不明者を無視して手続きを進めることができる場合もあるため、このようなケースでは遺産分割協議をせずに相続を進めることができます。

不動産は分割が難しいため、相続人間で争いが起こりやすい財産の一つです。遺言書で誰にどの不動産を相続させるかを明記しておくことで、スムーズな相続が可能になります。

特定の相続人に財産を渡したくない場合（例：長年疎遠になっている、関係性が悪いなど）、遺言書で相続分をゼロにすることが可能です。ただし、遺留分侵害額請求をされる可能性があるため、遺留分対策も考える必要があります。

以下は 自筆証書遺言 の見本です。自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自筆で書き、押印する必要があります。

自筆証書遺言（見本）

遺　言　書

　私、田中一郎は、以下の通り遺言する。

1. 私の所有する不動産（所在地：埼玉県北葛飾郡松伏町ゆめみ野1-2-3、地番○○）を 長男 田中太郎（昭和○○年○○月○○日生） に相続させる。
   

2. 私の預貯金のうち、以下の口座の全額を 長女 田中花子（昭和○○年○○月○○日生） に相続させる。
   　 埼玉りそな銀行 松伏支店 普通預金 口座番号：1234567
   

3. 私の所有する自動車（車種：トヨタプリウス、ナンバー：○○1234）を 妻 田中陽子（昭和○○年○○月○○日生） に遺贈する。
   

4. 本遺言の執行者として 行政書士 横山将宏（よこやま行政書士事務所、住所：埼玉県春日部市大沼5-149-6） を指定する。

以上の通り遺言する。

令和○年○月○日

埼玉県北葛飾郡松伏町ゆめみ野1-2-3

遺言者　田中 一郎　（実印もしくは認印）

（※実印を使用した場合は、印鑑証明書を添付）

遺言執行者（いごんしっこうしゃ）とは、被相続人（亡くなった人）の遺言の内容を実現するために、実際の手続きを行う人のことです。遺言の内容を忠実に実行する役割を担い、相続手続きにおいて重要な存在です。

Q1. 遺言書を残すべき典型的なケースはどのような場合ですか？

A. 相続人が複数いる場合、不動産が主な財産で分割が難しい場合、再婚や内縁関係など家族関係が複雑な場合には、遺言を残す意義が特に大きい相続のケースです。

Q2. 遺言書は弁護士や行政書士に依頼しないと作れませんか？

A. ご自身でも作成可能です。ただし形式不備により無効となるリスクを避けるため、専門家にチェックを依頼する方が多くいらっしゃいます。

Q3. 公正証書遺言の作成費用はどのくらいかかりますか？

A. 財産額や内容によって変動しますが、数万円から十数万円程度が一般的です。財産の種類や評価額によって手数料が決まります。

Q4. 遺言書の効力はいつから発生しますか？

A. 遺言者の死亡後に初めて効力が生じます。それまでは自由に変更や取り消しが可能です。

Q5. 遺言書の中で特定の相続人を相続から外すことはできますか？

A. 「廃除」という制度がありますが、家庭裁判所の審判が必要です。単に「相続させない」と書くだけでは効力が認められません。

Q6. 遺留分を侵害しないようにするにはどうすればよいですか？

A. 財産評価を正しく行い、相続人ごとの最低限の取り分を考慮して分割割合を定める必要があります。専門家の助言を受けることでトラブルを予防できます。

Q7. 自筆証書遺言をパソコンやワープロで作成できますか？

A. 現行法では、全文を自筆で書く必要があります。財産目録についてはパソコン作成や印字が認められていますが、署名押印は必須です。

Q8. 法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用するメリットは何ですか？

A. 紛失や改ざんの心配がなく、相続開始後に家庭裁判所での検認手続きが不要になる点です。1通3,900円の手数料で利用でき、松伏町にお住まいの方も越谷市や春日部市の管轄法務局で手続き可能です。

Q9. 遺言書を一度作成したら一生使えますか？

A. いいえ。財産状況や家族構成の変化に応じて見直しが必要です。数年ごとに内容を確認することをおすすめします。

Q10. 松伏町にお住まいで遺言作成をご検討の方へ

A. 遺言は「家族への最後のメッセージ」ともいえる大切なものです。松伏町周辺にお住まいの皆さまは、ぜひ「かすかべ相続支援センター」にご相談ください。遺言の作成から法務局での保管、相続開始後の円滑な手続きまで、地域に根ざしたサポートをご提供いたします。

「遺言書を書いたから、これで安心」——そう思っていても、実は形式不備や内容の曖昧さで“無効”になるケースも少なくありません。
ここでは、行政書士としての視点から、遺言書作成時に気をつけたい重要ポイントを5つに絞って解説します。

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