②相続人同士のトラブルを防ぐため

遺産の分割について口頭で合意していても、後になって「そんな約束はしていない」と争いになることがあります。

●遺産分割協議書を作成しておけば、法的に証拠が残るため安心。
●相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を添付するため、正式な合意を証する書面となる。

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③相続税の申告で有利になる場合がある

相続税を申告する際、遺産分割協議書を提出することで、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用できる場合があります。

●配偶者の税額軽減（配偶者が取得した財産に対して相続税が大幅に軽減される）
●小規模宅地等の特例（自宅の土地の相続税評価額が最大80%減額される）

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④遺言書がない場合に必須

故人が遺言書を残していない場合、遺産をどのように分けるかを相続人全員で話し合い、合意する必要があります。
●この合意内容を明確にするために、遺産分割協議書を作成します。

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⑤金融機関や不動産の手続きに必要なため

銀行や証券会社、不動産の名義変更など、多くの金融機関や法務局が遺産分割協議書の提出を求めます。
●相続人全員の署名・押印があるため、金融機関も手続きを認めやすい。

遺産分割協議を円滑に進め、合意を得るためには、以下のようなステップを踏むのが効果的です。

Ａ）事前準備を徹底する

① 相続人を確定する

・戸籍謄本などを取り寄せ、法定相続人を確定する。

・相続人目録を作成する。
・相続人全員に連絡を取り、協議の意向を確認する。

② 遺産の範囲を明確にする

・被相続人（故人）の財産目録を作成する。
・不動産、預貯金、株式、負債などの詳細を調査する。

Ｂ）相続人間のコミュニケーションを重視する

① 感情的な対立を避ける

・一方的な主張ではなく、相手の意見を尊重する姿勢を持つことが大切です。
・遺産分割の話をする場では、冷静に話し合える環境を整えるよう心がけましょう。

・わがままな相続人がいたとしても、焦りや怒りは禁物です。

② 遺産の価値を共有する

・不動産や株式など、分割が難しい財産については適正な評価を行いましょう。
・財産の価値を相続人全員が納得できるように説明することが大切です。

Ｃ）協議をスムーズに進める方法

① 各相続人の希望を整理する

・事前に各人の希望を聞き取り、各自の意向を把握する。
・皆の公平性を考慮した分割案をいくつか準備しておきましょう。

② 柔軟な解決策を検討する

・不動産を売却して現金で分割することも考える。
・特定の相続人が財産を取得し、他の相続人に代償金を支払うなどの案も有効です。

Ｄ）専門家の力を借りる

遺産分割協議書

被相続人 埼玉 緑子（以下「被相続人」という。）は、令和○年○月○日に死亡し、その遺産について、共同相続人全員で協議した結果、以下のとおり分割することに合意した。

第1条（遺産の分割）

1. 被相続人の遺産のうち、下記の不動産は 相続人 埼玉 緑太郎 が取得する。

　不動産（土地）

• 所在地：埼玉県さいたま市緑区大間木○番○

• 地　番：１２３番

• 地　目：宅地

• 地　積：３２１㎡

    不動産（建物）

• 所在地：埼玉県さいたま市緑区大間木○番○
• 家屋番号：１２３番の１
• 種　類：居宅

• 構　造：木造３階建

• 床面積：３２１㎡

      ２.被相続人の遺産のうち、下記の預貯金は 相続人 埼玉 緑丸が取得する。

• 金融機関名：三菱東京ＵＦＪ銀行 さいたま緑区支店

• 口座種別：普通預金

• 口座番号：９８７６５４３

• 残　　高：９８７，６５４，３２１円（令和○年○月○日現在）

       3.被相続人の遺産のうち、下記の動産は 相続人 埼玉 緑丸 が取得する。

• 例：自動車（車種：カローラⅡ、登録番号：大宮３０２ゑ３９３９）

• 例：貴金属（白金地金）

       4.被相続人の負債については、 相続人 埼玉 緑丸が引き継ぎ、これを弁済するものとする。

 

第2条（代償金の支払い）

本協議に基づき、 相続人  埼玉 緑丸 は、取得財産の公平性を図るため、 相続人 埼玉 緑太郎 に対し、代償金として ７６５，４３２円 を令和○年○月○日までに支払うものとする。

第3条（相続税および諸費用）

本遺産分割に関する相続税および登記等の手続き費用については、 相続人 埼玉 緑丸 が負担するものとする。

第4条（協議の最終決定）

本協議により、相続人全員が本件遺産分割について異議がないことを確認し、本協議の内容を変更しないことを約束する。

第5条（協議書の作成）

本協議の内容を証するため、本書を作成し、相続人全員が署名押印の上、それぞれ1通ずつ所持するものとする。

令和○年○月○日

相続人
住所：埼玉県さいたま市緑区大谷場９９９番１
氏名：埼玉 緑太郎 （印）

相続人
住所：埼玉県さいたま緑区大谷口１２３-４
氏名：埼玉 緑丸 （印）

Q1. 遺産分割協議書とは何ですか？
相続人全員が遺産の分け方について合意した内容を文書化したものです。銀行手続きや不動産の名義変更などで必ず提出を求められるため、相続の最終的な合意書ともいえます。

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Q2. さいたま市緑区に住んでいる場合、どの役所に遺産分割協議書を提出するのですか？
協議書自体は役所に提出するものではなく、法務局や金融機関に用います。緑区内の不動産登記は「さいたま地方法務局」が管轄しています。

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Q3. 遺産分割協議書にはさいたま市緑区の住民票や戸籍が必要ですか？
協議書そのものには戸籍を添付しませんが、相続人を確定するために緑区役所で「戸籍謄本」や「除籍謄本」を取得する必要があります。

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Q4. 緑区に不動産がある場合、遺産分割協議書の内容はどう反映されますか？
協議書で「長男が緑区の自宅を相続する」と定めれば、その内容をもとに法務局で所有権移転登記を行うことができます。

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Q5. 協議書は手書きでも良いのですか？
手書きでも有効ですが、誤字脱字や修正があると金融機関や法務局で受け付けてもらえない場合があります。緑区在住の方でも、実務上はワープロで作成するのが一般的です。

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Q6. 相続人の一人が緑区以外に住んでいる場合、遺産分割協議書はどうすればいいですか？
相続人が全国各地に住んでいても問題ありません。協議書を郵送して署名・押印を集める形が一般的です。ただし印鑑証明書のみ取り寄せが必要です。

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Q7. 緑区内の金融機関では遺産分割協議書が必ず必要ですか？
はい。埼玉りそな銀行や埼玉縣信用金庫など、さいたま市緑区内の金融機関では相続預金の払戻しに協議書の提出を求められるのが通例です。

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Q8. 緑区在住で、相続人の中に認知症の方がいる場合はどうなりますか？
認知症などで判断能力がない方がいる場合、そのままでは協議書を作成できません。家庭裁判所で成年後見人を選任する手続きを経る必要があります。

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Q9. 遺産分割協議書を作成した後、緑区でどんな場面で役立ちますか？
不動産の登記変更だけでなく、緑区の税務署での相続税申告にも活用されます。

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Q10. 遺産分割協議書の作成を専門家に依頼したいのですが、緑区から依頼できる事務所はありますか？
「かすかべ相続支援センター」では緑区の相続案件も多数取り扱っております。戸籍収集から協議書作成、不動産登記の専門家との連携までワンストップでサポートいたしますので、安心してご相談ください。

✅ 書き方を間違えると手続きが止まる！

遺産分割協議書は、相続手続きの中でも特に「形式と内容」が重要な書類です。
不備があると法務局や金融機関で受理されず、手続きがストップしてしまうことも。
ここでは、行政書士目線で「正しく・漏れなく・わかりやすく」書くためのポイントを解説します。

 

📌 書き方の基本構成（Web掲載向け箇条書き）

1. タイトルの記載
文頭に「遺産分割協議書」と明記します。

2. 被相続人の情報

• 氏名（フルネーム）
• 生年月日
• 死亡日
• 最後の住所

3. 相続人の情報

• 氏名
• 続柄（例：長男、配偶者など）
• 住所
• 生年月日（任意）

4. 協議内容の記載

• 誰がどの財産を相続するかを具体的に記載します
• 財産ごとに分けて記載するとわかりやすいです

5. 協議日・署名・押印

• 協議を行った日付
• 相続人全員の署名と実印
• 印鑑証明書の添付が必要

 

🧾 記載例（文章形式）

 

遺産分割協議書
被相続人 ○○○○（昭和○年○月○日生、令和○年○月○日死亡）の遺産について、相続人全員で協議の結果、以下のとおり分割することに合意した。

1. 長男 ○○○○ は、○○市○○町所在の土地（地番○○番）および建物を相続する。
2. 次男 ○○○○ は、○○銀行○○支店の普通預金口座（口座番号○○○○）を相続する。

上記のとおり協議が成立したため、本書を作成し、相続人全員が署名押印する。

 

 

⚠️ よくあるミスと注意点

• 財産の記載が曖昧：「不動産」だけではNG。地番や登記簿記載情報まで明記。
• 相続人の署名漏れ：1人でも署名・押印がないと無効になる可能性あり。
• 日付の記載忘れ：協議日がないと、いつ合意したかが不明になる。
  
  

 

🗾 さいたま市緑区での実務ポイント

さいたま市緑区で不動産の相続を行う場合、協議書の記載内容が登記に直結します。
地元の行政書士に相談することで、地域特有の地番表記や登記実務にも対応可能。
また、金融機関によっては独自の様式を求められることもあるため、事前確認が大切です。

 

正しい書き方が「安心」と「信頼」につながる

 

 

代 表 者： 横山　将宏
所 在 地： 埼玉県春日部市大沼５-１４９-６
電話番号：０４８-７１１-２８０１
保有資格：行政書士およびＡＦＰ（日本ＦＰ協会認定アフェリエイテッド・ファイナンシャルプランナー）
主な業務実績：自筆証書遺言の作成サポート、公正証書遺言の作成サポート、遺産分割協議書の作成、遺言執行、内容証明郵便の作成ほか

さいたま市緑区にお住まいの方の遺産分割協議書の作成についてのご相談はお気軽にどうぞ（初回のご相談は無料です）

 

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