1. 松伏町の産廃収集運搬業許可申請

産業廃棄物収集運搬業の具体的な業務内容
産業廃棄物収集運搬業とは?
産業廃棄物収集運搬業とは、事業活動に伴って発生する産業廃棄物を適切に収集し、指定された処分場やリサイクル施設へ運搬する業務を行う事業のことです。これは、日本の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」に基づき、許可制で運営されています。
埼玉県北葛飾郡松伏町においてこの業務を営もうとする場合には、埼玉県知事の許可を受ける必要があります。
※産廃の排出場所と運搬場所が埼玉県内のみであれば、埼玉県知事許可のみで問題ありません。
1. 産業廃棄物の収集
- 産業廃棄物を排出した企業(工場、建設現場、病院など)から、適切な方法で廃棄物を回収します。
- 収集する際には、分別や適切な保管が重要となります。(例:可燃物・不燃物・有害物の分別)
- 排出事業者との契約に基づき、定期的またはスポットで回収業務を行います。
2. 産業廃棄物の運搬
- 収集した廃棄物を、適切な運搬車両(ダンプトラック、コンテナ車、タンクローリーなど)で、処理施設やリサイクルセンターへ運搬。
- 運搬中の飛散・流出・悪臭などを防ぐための防止措置が必要です。
- 廃棄物の種類に応じて、専用の運搬車両が求められる場合もあります。(例:液状廃棄物用タンクローリー)
3. 処理施設への搬入
- 収集した廃棄物を、適切な処理場へ搬入します。
- 産業廃棄物の処理には、中間処理(焼却、破砕、溶融など)と最終処分(埋立など)があります。
- 近年は、リサイクルを目的とした処理場への搬入も増加傾向にあります。
2. 対象となる産業廃棄物の種類
産業廃棄物は大きく20種類に分類されており、主な廃棄物には以下のようなものがあります。
種類 | 具体例 |
---|---|
廃プラスチック類 | ビニール、合成樹脂、ゴムくず |
金属くず | 鉄くず、アルミくず、銅線 |
ガラス・陶磁器くず | 窓ガラス、耐火レンガ、コンクリートくず |
廃油 | 機械油、廃エンジンオイル |
廃酸・廃アルカリ | 廃硫酸、廃アンモニア |
繊維くず | 服飾工場の布くず、化学繊維くず |
木くず | 建築廃材、家具製造時の端材 |
汚泥 | 工場排水の沈殿物、建設工事の泥水 |
ばいじん | 焼却施設や工場の排煙ダスト |

産業廃棄物収集運搬業は、環境保護・資源循環・企業の法令遵守の支援など、現代社会に不可欠な役割を担っています。適切な管理と法令遵守のもと、安全かつ効率的に廃棄物を処理することで、持続可能な社会の実現に貢献する業種といえます。

3. 産業廃棄物収集運搬業を行うための許可
埼玉県松伏町で産業廃棄物の収集・運搬を行うためには、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」に基づき、埼玉県知事の許可が必要となります。許可には以下の2種類があります。この2種類の許可は、それぞれ独立した許可となっていますので、取り扱う廃棄物により両方の許可が必要になる場合もございます。無許可で収集運搬業に従事すると、違法行為(不法投棄・無許可営業)となり処罰されます。
1. 産業廃棄物収集運搬業許可
- 一般的な産業廃棄物(廃プラスチック類、金属くず、木くず、汚泥など)を収集・運搬するための許可。
- 許可を取得した都道府県・政令市の区域内でのみ業務を行える。
- 複数の地域で業務を行う場合、それぞれの都道府県や政令市で許可を取得する必要がある。
2. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可
- 危険性の高い産業廃棄物(廃油、廃酸、廃アルカリ、PCB廃棄物、感染性廃棄物など)を扱うための許可。
- 一般の産業廃棄物許可よりも厳しい基準(特別な講習の受講、安全管理体制の整備など)が求められる。
4. 許可申請の流れ
① 事前準備
- 許可申請の前に、「許可要件」を満たしているか確認します。
- 収集運搬する産業廃棄物の種類を決める(20種類の中から必要なものを選択)
-
運搬に必要な車両や設備を用意する(例:密閉式の車両、タンクローリー、ドラム缶、フレコンバッグなど)
② 講習会の受講
- 「産業廃棄物収集運搬業許可申請講習会」を受講し、修了証を取得する(講習会は日本産業廃棄物処理振興センターが実施)
- 講習の受講は許可申請の必須条件であり、修了証は5年間有効。
- 新規申請者向けの講習は2日間(オンラインまたは対面)
③ 許可申請書類の作成
申請には、以下のような書類が必要です。
- 許可申請書(埼玉県の様式)
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 定 款(法人の場合)
- 財務状況を示す書類(直近の決算報告書など)
- 事業計画書(収集・運搬の方法、対象廃棄物の種類などの情報)
- 保有車両の車検証の写し(車両ごとに提出)
- 講習会修了証の写し
- 役員の住民票や誓約書(法人の場合、役員全員分が必要)
-
その他、埼玉県が追加指定する書類
④ 申請の提出
- 埼玉県へ申請書類を提出。
- 申請手数料を支払います。(新規申請の場合、81,000円)
- 申請後、審査が行われます。(通常では1〜2か月程度)
⑤ 許可の取得
- 許可が下りると、「産業廃棄物収集運搬業許可証」が交付されます。
- 許可の有効期間は5年間で、引き続いて営業をしようとする場合は、更新手続きを行わなければなりません。

ステップ | 内 容 | 補 足 |
---|---|---|
① ご相談・ヒアリング | 必要条件や事業内容を確認 | 初回相談は無料です |
② 法人登記・車両準備 | 法人設立・車両確保など | 個人申請も対応可能 |
③ 講習会の受講 | 公益財団法人による法定講習 | 終了証が申請に必須です |
④ 書類収集・作成 | 登記簿・納税証明・事業計画など | 複雑な書類も代行作成可 |
⑤ 申請書提出 | 管轄の自治体へ提出 | 松伏町などの地域に対応 |
⑥ 審査・補正対応 | 行政の確認・追加資料提出 | 約1~2か月程度かかります |
⑦ 許可証交付 | 収集運搬業の許可取得! | 有効期間:通常5年間 |
5. 許可を取得した後の義務

許可を取得した後も、以下の義務を守らなければなりません。
① 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行
- 収集運搬時には「マニフェスト(管理票)」を発行し、適正な処理であることを証明する。(※マニフェストには、排出事業者、運搬業者、処分業者の情報が記載されます)
② 許可の更新
- 許可の有効期間(5年間)が切れる前に更新手続きを行ういます。
- 更新申請までに再度講習を受講する必要があります。
③ 変更届の提出
- 事業計画や車両の変更があった場合は、速やかに埼玉県に届け出る必要があります。
6. 産業廃棄物収集運搬業の社会的役割
産業廃棄物収集運搬業は、現代社会において非常に重要な役割を果たしています。その社会的必要性を以下の観点から説明します。
1. 環境保全と公衆衛生の維持
産業廃棄物は適切に処理しないと、土壌・水質・大気の汚染を引き起こし、人々の健康や生態系に悪影響を及ぼします。適切な収集・運搬を行うことで、こうした環境リスクを最小限に抑えることができます。
2. 法令遵守と社会的責任の実現
日本では「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」に基づき、産業廃棄物の適切な処理が義務付けられています。収集運搬業者が存在することで、企業が法令を遵守し、社会的責任(CSR)を果たせるようになります。
3. リサイクルと資源循環の促進
産業廃棄物の中には、再利用可能な資源も多く含まれています。適切な収集・運搬が行われることで、リサイクルや再資源化が促進され、持続可能な社会の実現に貢献します。
4. 経済活動の円滑化
建設業、製造業、医療業など、多くの業界で廃棄物は必ず発生します。もし適切な収集・運搬がなければ、企業活動が滞り、経済にも悪影響を及ぼします。廃棄物の処理をスムーズにすることで、産業全体の効率化が図られます。
5. 違法投棄の防止
不適切な廃棄物処理や違法投棄は、環境汚染や地域住民への悪影響を引き起こします。松伏町内で適切な許可を持つ業者が収集・運搬を行うことで、こうした違法行為を防止し、地域の環境保全に貢献します。
7. 松伏町での産業廃棄物収集運搬業許可申請のよくあるご質問(FAQ)

Q1. 松伏町で産業廃棄物収集運搬業を始めるには、どこに申請しますか?
松伏町で事業を行う場合でも、申請窓口は埼玉県知事を所管する産業廃棄物指導課です。積替えや保管を伴わない収集運搬であれば、県知事の許可のみで足ります。
Q2. 許可を受けるために必要な講習とはどのようなものですか?
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する「産業廃棄物収集運搬課程」の修了が必要です。修了証を申請書に添付します。
Q3. 松伏町内での事業運営において特に注意するべき点はありますか?
松伏町は住宅地が多いため、騒音や交通安全への配慮が求められます。早朝や深夜の作業は避け、地域住民とのトラブル防止に努めることが大切です。
Q4. 許可の有効期間はどのくらいですか?
産業廃棄物収集運搬業の許可は5年間有効です。更新は有効期限の3か月前から申請できます。
Q5. 申請に必要な主な書類は何がありますか?
登記事項証明書、定款、財務諸表、車検証の写し、車両写真、講習修了証、誓約書などが必要です。
Q6. 車両にはどのような表示が必要ですか?
申請時点では不要ですが、許可取得後の車両の両側に「産業廃棄物収集運搬車」とわかる表示を行う必要があります。表示がないと法令違反となる可能性があるため、必ず準備しましょう。
Q7. 許可取得までにかかる期間はどれくらいですか?
標準処理期間は43営業日程度です。ただし、補正や不備がある場合はさらに延びるため、余裕を持った計画が必要です。
Q8. よくある申請不備にはどんなものがありますか?
財務書類の不足、車庫の権原証明書類の不十分さ、役員の欠格要件調査に関する資料不足などが多い傾向です。
Q9. 許可を取ったあと、変更が生じた場合はどうなりますか?
役員変更、車両の追加や削除、営業所移転などは変更届や変更許可申請が必要です。速やかに対応しないと行政処分を受ける可能性があります。
Q10. 申請を専門家に依頼するとどんなメリットがありますか?
複雑な書類作成や車両・施設要件の確認を一括で任せられるため、申請の負担が大幅に軽減します。不備ややり直しのリスクも減らせます。松伏町で許可を検討される方は、よこやま行政書士事務所までお気軽にご相談ください。
8. 産業廃棄物収集運搬業に関するお役立ちコラム
収集運搬業とSDGs : 環境・社会・経済のバランスをどう捉えるか?
産業廃棄物収集運搬業は、環境保全の最前線に立つ仕事です。
しかしその役割は、単なる“ごみ処理”にとどまりません。
SDGsの視点から見れば、収集運搬業は環境・社会・経済のバランスを支える“地域の要”とも言える存在です。
今回は、SDGsとの接点と、現場でできる実践について考えます。

◇SDGsと産廃業の接点とは?
SDGs(持続可能な開発目標)は、国連が定めた17の目標。
その中でも、収集運搬業と深く関わるのは以下の項目です。
-
目標11:住み続けられるまちづくりを
→ 廃棄物の適正処理によって、都市環境の安全性と快適性を守る -
目標12:つくる責任 つかう責任
→ 資源循環の一翼を担い、リサイクルや再資源化の流れを支える -
目標13:気候変動に具体的な対策を
→ 運搬ルートの最適化や低排出車両の導入によって、CO₂削減に貢献 -
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
→ 行政・住民・事業者が連携し、地域課題を解決する仕組みづくり
つまり、収集運搬業は“環境”だけでなく、“社会”や“経済”にも関わる多面的な仕事なのです。
◇現場でできるSDGs実践
SDGsの実践は“身近な工夫”から始められます。
たとえば、
- 車両の燃費改善やアイドリングストップの徹底(環境負荷の低減)
- 地域イベントでの廃棄物分別啓発活動(住民との協働)
- 収集ルートの最適化による効率化とCO₂削減(経済性と環境性の両立)
- 障がい者施設との連携による容器洗浄業務の委託(社会的包摂)
- 廃棄物の種類ごとのデータ管理と情報公開(透明性の向上)
こうした取り組みは、SDGsの達成に貢献するだけでなく、事業者としてのブランド価値も高めます。
◇SDGsは“看板”ではなく“行動”で語るもの
最近では「SDGsに取り組んでいます」と掲げる企業も増えていますが、
本当に大切なのは、現場で何をしているかです。
収集運搬業は、制度に縛られがちな業種だからこそ、
その中で“自分たちにできること”を見つけ、実行する姿勢が問われます。
そしてそれは、地域住民や行政との信頼関係にもつながり、
結果として“持続可能な事業”そのものを築くことになるのです。
産業廃棄物許可申請:対応エリア一覧
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